江戸の町づくりに貢献した猫「玉ちゃん」

ビルの敷地にある黒い彫刻が目に留まった。
遠目だったので正体がよくわからず、何だろうと気になって近づいて確認してみたら、大きめの猫の像だった。
猫の像の下には説明書きがあり、この猫に関する逸話が紹介されていた。
ネコの像「玉ちゃん」

人にいのちあれば ねこにもいのちあり
江戸の里を ひらきし太田道灌
この地の北で いくさに敗れ
あわや いのちを 失わん時
一匹のねこあらわれ にげ道をあんない
いのちをとりとめ 江戸を開いた
なれど このかくれた江戸の恩ねこも
ねこなるゆえに 名ものこらぬはふびん
江戸のいヽたま 玉ちゃんと名づけ
のちのちまでの江戸のまもりとす
つくりびと 流 政之
ねこの生れ 文明狂年
(ネコの像の下にある説明文より)
ポツンとあった大きな像

「玉ちゃん」は、新宿住友ビルの敷地にあった。
遠くからだと何かあることはわかるが、何なのかよくわからず、近づくにつれて耳があったので「動物」、狸か?と正体の絞り込みをしていったが、「猫は小さい」とイメージしていたので、でかい玉ちゃんには少々驚いた。
ビルにある猫の像――。
「なんだ、こりゃ。ビルのマスコットキャラクターか?」と思ったけど、説明を読むと江戸の町をつくるのに大きく貢献した猫と知った。
説明文にある通り、この猫の像に出会わなければ江戸の町づくりに活躍した猫「玉ちゃん」がいたことなんて知る由もなかった。
真偽は不明だが、歴史の裏舞台の逸話を知ったことで嬉しくなった。――が、なぜビルの隅に像を置いているのかは不明だった。
猫の伝承はよく聞く。
だいたいは魔物として登場する怖い存在の話が多いけど、なかには人を助けたという話もいくつか聞いたことがある。
猫はむかしから人の近くで生活しているため、話題として残りやすいのだろう。