街かど看板「滝沢馬琴終焉の地」

南総里見八犬伝の作者、滝沢馬琴

信濃町駅近くにある「滝沢馬琴終焉の地」

 「滝沢馬琴」と言っても、ぴんとこない人が多いかもしれない。

 でも映画の『里見八犬伝』ならば知っている人がいるのではないだろうか?

 里見八犬伝は、古い日本映画で壮大なファンタジーとなっている。

 CGなどは使っていないため現在の映画と比べると迫力は劣るが、ストーリーがよくできているから楽しめる。

 里見八犬伝を簡単に説明すると、 昔かけられた呪いのために命を狙われることになった姫と、姫を守る使命をもった者たちの旅物語といったものだ。

 旅ではいろんな試練が起きて、仲間たちの絆が強くなっていくという大堂のストーリーでわかりやすい。

 小説もいいけど映画化されていて、かなりわかりやすくて面白いので、興味があるなら見てみるといいかも。

 話は戻るが、この里見八犬伝の作者が滝沢馬琴。

 信濃町駅近くで見つけた看板に描かれていた著者の姿はおじいちゃんだった。

 意外なところで里見八犬伝の作者・滝沢馬琴と縁のある場所を見つけて少々驚いたが、この「滝沢馬琴終焉の地」には案内板以外は何もない。

 建物などの再現や復元を期待しているなら、かなり物足りないと思う。

 メインで訪れるよりも近くへ用事があったついでに立ち寄るようにしたほうがいいかもしれない。

 ただ案内板には滝沢馬琴について次のような紹介があったので、紹介しておく。

「滝沢馬琴終焉の地」

新宿区指定史跡

 この地は、『南総里見八犬伝』の著者として有名な江戸時代後期の劇作者滝沢馬琴(一七六七~一八四八)が、天保七年(一八三六)から嘉永元年(一八四八)に亡くなるまでの約十二年間暮らした場所である。

 馬琴は、江戸深川で旗本の用人の子として生まれた。名は興邦、後に解と改め、曲亭馬琴、著作堂主人、篁民などと号した。

 天保六年(一八三五)に嫡男の宗伯が病死したため、幕府の御家人株を買い、翌年、神田同明町の屋敷から四谷信濃町の四谷組同心屋敷へ転居した。

 四谷に転居してからは、婿、妹、妻が相次いで亡くなり、自身も目を患い失明に近い状態であったが、嫁の路に口述筆記させ『南総里見八犬伝』を完成させた。

( 滝沢馬琴終焉の地の案内板より)

▼興味をもった人への参考▼

映画『里見八犬伝』

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 里見八犬伝は、日本映画(角川映画/1983年)。

悪霊につかえ、不死身の妖怪となった玉梓は、かつて里見家に征伐された恨みを抱いて館山城に攻め入った。里見一族は虐殺され、静姫だけが生きのびる。その姫の前に仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の各字を刻んだ八つの霊玉を持った八剣士が集まる。妖怪軍団の巣窟へ攻め入り、激闘の中で一人一人命を失ってゆく八剣士の中、親兵衛と静姫は最後の力で玉梓に挑むのであった。
【キャスト】薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、寺田農、志穂美悦子、京本政樹、大葉健二、福原時浩、苅谷俊介、目黒祐樹
【監督・脚本】深作欣二 【原作・脚本】鎌田敏夫

(KADOKAWAより)

小説『 南総里見八犬伝 』

小説も何種類かあるうちの二つを紹介。漫画もあるようだ。


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三猿はストーリーの一部だった

日光の三猿(神厩舎)
日光の三猿(日光東照宮の神厩舎)

 「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿は有名だが、三猿がストーリーの一部であることはあまり知られていないように思える。

 そこで日光東照宮の神厩舎に書かれていた猿の一生を紹介。

 猿のストーリーは人生訓が入っていて興味深い内容だった。

世界遺産 日光東照宮の「神厩舎」

 神厩舎は、栃木県日光市にある世界遺産「日光東照宮」内にある木造建築物で神馬をつなぐ厩となっている。

神厩舎
日光東照宮の神厩舎

神厩舎
境内唯一の素木造り、右側は馬を扱う役人の詰め所で畳敷になっている。
長押上の三猿は「見ざる、言わざる、聞かさる」といって有名

(日光東照宮の「神厩舎」の看板より)

神厩舎
日光東照宮の「神厩舎」全体図

 神厩舎の外側に木彫りの猿の彫刻があり、全部で8種類の図柄となっている。

 なぜ厩に猿? と思ったが、猿はむかしから馬を守るといわれているかららしい。

 あの有名な「三猿」は、8つに分けて描かれた猿の一生の一コマとしてあった。

神厩舎にある猿の彫刻(8面)

神厩舎
日光東照宮の神厩舎 その1

 小手をかざして遠くを見ている母親は、空間としての遠方ではなく、時間としての遠方、即ち未来(子の将来)を見ている。
 その方向には、実を付けた枇杷と朱色の雲がある。
 母親が子供の未来を遥かに望んでいる場面で、枇杷と朱色の雲は「バラ色で実り豊か」な子供の未来を暗示している。

(「その1」の写真、左側の絵柄解説文)

 幼いうちは、純真で周囲の影響を受けやすい。
 だから世の中の悪いことは見聞きせず、悪い言葉も使わせず、良いものだけを与えよ。
 この時期に、良いものを身に付けておけば、悪いものに触れ(対し)ても正しい判断(行動)ができる。

(「その1」の写真、右側の絵柄解説文。有名な「三猿」)

神厩舎
日光東照宮の神厩舎 その2

 一匹の座った猿。(未だ立っていない)どことなく寂しそうなのは、孤独に耐えつつも、これからの人生(将来)を考えている。
 やがて立ち上がれば、「自立・一人立ち」(精神的にも肉体的にもレベルアップ)する。

(「その2」の写真、左側の絵柄解説文)

 二匹の猿が上方を見上げている。希望をもって上を見上げる青年期のイメージ。
 右上に青雲が配され、「青雲の志」を抱いた若い猿と解釈できる。
 御遺訓にいう『上を見な・身の程を知れ』である。

(「その2」の写真、右側の絵柄解説文)

神厩舎
日光東照宮の神厩舎 その3

 右側の猿は樹の上で前方を凝視している。
 左側の二匹は岩の上にいる。
 中央の猿は崖から転落を免れた状況か(木から落ちた猿かも)。
 左側の猿は、中央の猿の背中に手を当てている。友達を慰める、或いは励ましているように見える。

(「その3」の写真、左側の絵柄解説文)

 右側の猿は座って腕をお腹の前で交差させ、正面を凝視している。
 左側の猿は何かを考え、決断を迫られている。
(次の面から解釈するに、右側の猿は結婚の決意を固めた猿。一方の猿は、未だそれに至っていない状況なのかもしれない。)

(「その3」の写真、右側の絵柄解説文)

神厩舎
日光東照宮の神厩舎 その4

 左下に逆巻く波、右側の根本には薔薇の花。
 右側の猿は長い左手を波に差しのべ、左側の猿は腕組みをしている。
 二匹とも波を見つめている。右側の猿の上には赤い雲。
(二人で力を合わせれば『人生の荒波』も乗り越えられる)

(「その4」の写真、左側の絵柄解説文)

 結婚した二人が協力して荒波を乗り越え、平安な家庭環境を整え、子宝に恵まれ、子供が生まれれば、親となり、最初の面の子育てへと辿ることになる。
(そして永遠の生命が受け継がれて行く)
 子は「悪いことは見ない・聞かない・話さない」そして「平安」な心で育てられなければならない。
 幼児期の在るべき環境を『長春(薔薇の別名)』が象徴している。

(「その4」の写真、右側の絵柄解説文)

神厩舎
神厩舎にかかっている彫刻には漫画のコマのようにそれぞれ意味がある

 神厩舎の猿ストーリーを見るまで「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が、ストーリー仕立てになっているとは知らなかった。

 比喩として猿を使っているが、人生訓を含めた芸術品となっていて彫刻技術以外に学ぶところもあっていい作品だった。

 とても良い作品なのにあまり知られていないようなので、今回記事で紹介してみた。

【おまけ画像】日光で見かけた野生のニホンザル

猿の看板
栃木県日光市で見かけた猿の看板

 日光市を観光していると「サル注意」など、猿に関係する看板を目にすることが多かった。

ニホンザル
運転中に遭遇した野生のニホンザル親子(栃木県日光市)

 看板が多かったことに対して少し不思議に思っていたら、運転中に野生のニホンザル親子と遭遇した。

 ほかに、住宅地で屋根を歩くニホンザルも見かけた。

 栃木県日光市は、看板で注意をうながすほど猿が身近にいることを身をもって体験した。